スケルトン状態になった古民家は、まず躯体の建ちを起こすところから始まりました。
屋根を触る以前に、家としての姿勢を正す。
地味な作業ですが、この工程がその後の仕事すべてに関わってきます。
ただ、この現場は古民家ということもあり、柱を受けているのは基礎ではなく石場建てでした。
いつものように土台に縄をかけて思いきって引っ張ったり、屋起こしを使って突っ張るわけにもいかず、
「ここ、どうやって力をかけようか」
と、作業はなかなか一筋縄ではいきません。
それでも、応援に来てくれていた大工さんたちのおかげで作業は次第にはかどり、
みるみるうちに建ちは修正されていきました。
ひどいところでは、5cmほど傾いていた柱も、シャキッと納まってくれました。

さて、次はいよいよ屋根に取り掛かっていきます。
屋根の下の影で作業していたのとは打って変わって、屋根の上はまさに地獄でした。
それにしても、
「えらい時期に屋根触ってるなぁ」
誰かがぽろっと漏らしたその一言は、まさに的を射ていました。
照りつける日差しの中、屋根の上は言うまでもなく灼熱。
体力も集中力も、想像以上に削られていきます。
そんな厳しい状況の中、応援に駆けつけてくれた大工さんたちには、本当に助けられました。



屋根の工事は上がったり下りたりするだけでも大変ですが、
通りを直していくとなると、端から端まで何度も行ったり来たりを繰り返すことになります。
これは、一人でやるのと人数がいるのとでは、作業効率がまったく違います。
材料を屋根に上げるだけでも、一苦労です。
特に来てくれた大工さんは知識がとても豊富で、
「こう納めたらどうやろ」
「ここは先に逃がしといた方がええな」
と、納め方の案が次々に出てきました。
一人で考えているだけでは辿り着けなかった答えが、
大工さんが増えることで自然と形になっていく。
炎天下の屋根の上で、改めて大工仕事は知識と経験が大切なのだと実感させられた時間でした。

こうして無事に屋根の下地は完成しました。


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