螺旋階段 作り方


以前の投稿で段取りしていた材料は階段となる材料を刻んでいたのですが、プランは確定していませんでした。

『なんか面白い階段作ってよ!』
お客さんのこんな一言から今回初めて螺旋階段を施工することになりました。

お客さんのインスピレーションを頼りに、元請けの大工さんが形を明確にしていきます。
『方向はこっちからで、ここが上り口!』
『蹴上の高さはこれぐらいがイイから、段数は14段で!』
『ここは柱が必要だから、その材料は変わった形の木を使おう!』

こんな感じで階段の構成がある程度固まっていきました。
お客さんの情報を箇条書きでメモして作り方を考えていきました。

という事で、今回は螺旋階段が出来上がるまで・・・
を載せていこうかなと思います。

ステップ1階段がすわる位置出しと原寸

まず初めにすることは原寸出しです。

  • 一枚目
    柱を中心に、段板の外寸の墨を合板に写していきます。
    この墨は、後に段板の外周をカットする際に使います。
  • 二枚目
    柱の芯にそって段板の割り付けを行います。
    これで段数が決まり、段板をカットしていくにはこの墨が非常に重要になってきます。

    少し見えずらいかもしれないですけど、黒色赤色で線を描いてます。
    これは段板の上下のかぶりを表します。

    黒色が上の段板の鼻先で
    赤色が下の段板の飲み込み代になります。
    今回の螺旋階段は蹴込板はつけず『ストリップ階段』です。


ステップ2原寸をもとに段板を大まかにカットしてく

上記の写真で段鼻と角度がわかれば、段板の材料を三角形にカット!
このときに外周を多めに残しておくことで、後の形を自由に形成できます。

今回の外周は円にカットしていきます。

ステップ3柱に段板がささる部分を掘っていく

次は中心の柱に段板がささる部分を掘っていく作業です。
ステップ1で合板に原寸を出したものを、柱の周りにも施していきます。


段板の地墨が描けたら、その墨をレーザーで立ち上げていきます
この時、段数に応じて高さも墨します。

け描けたらあとは掘っていくだけ!
奥行きは合板に写した原寸を元に掘っていき、段板を挿しながら調整していきます。

段板を挿したら地墨から立ち上げてみて、正確な位置にきてるか確認する。

段鼻は下の段のかぶりで確認する。

掘り込みの奥行きが地墨の場所まで到達したら、ステップ2で描いた外周の余分な部分をジグソーでカットしていきます。

ステップ4段板の外側の補強をいれていく

内側は柱に挿さっているのでガッチリしているのですが、上記の写真のままだと折れてしまいます。

そこで段板の位置が決まったら、次は外側の補強をいれていく作業です。

この作業も地墨が大事になってきます。
下の墨と照らし合わせながら、段板の掘り込み部を決めていきます。
ポイントは、上の段と下の段の両方を支えるように柱を設置します。

ここでお施主さんの遊び心が炸裂します!!
『どうせ柱入れるんやったら面白い柱いれてよ😄』
そこで登場したのは、以前切り倒していた木!
面白い枝の配置が落下防止の手すりにもなって一石二鳥の役割を果たしてくれてます。

ステップ5手すりをつける

最後は手すりをつける工事です。

ここでは元請けの大工さんの遊び心が炸裂します!
『ここまで遊ばせてもらったんやったら、手すりも遊ばせてもらおー!』
ということで、初めに木を切り倒した時に出た不要な枝を手すりに使うことになりました😄
螺旋階段のカーブにそって枝の反り具合が合う材料を選んでいきます。

ユーモアたっぷりの現場で生まれた、思い出深い階段が完成しました!
お施主さんと元請の大工さんとの掛け合いが絶妙で、そんなやりとりがそのまま形になったかのようです(^^)
楽しさと苦労がミックスした唯一無二の螺旋階段です!
いい経験させていただきました

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