僕がまだ父親と一緒に働いていた時の話です
大工をやり初めて2年ほどだったと思います
仕事の流れやできることが増えてきて、凄く楽しい時期だったのを覚えています
ある新築の現場で仕事をしていると
見知らぬおじいさんが何も言わずに入ってきました
見ると首から一眼レフのカメラをぶら下げています
最初ここの現場のお施主さんかなと思い、挨拶をしスリッパを出しました
しかしそのおじいさんは特に何も言う事なく、ひっきりなしに首からぶら下げていた一眼レフのカメラで現場の写真を撮っています
そして一階の写真をある程度撮り終えた後、2階に上がっていきました
・・・なんだこのじいさんは。
そうこうしているとまた1人、次は年配の女の人が入ってきました
『どうも〜初めまして◯◯です』
この方がどうやらここのお施主さんみたいでした
軽く挨拶を交わし、すかさず父が聞きました
『先にお越しになった方は旦那様ですか?』
『いえ、主人は今日仕事です』
・・・はいっ!?じゃあ あのじいさんは誰??
すると2階の写真を撮り終えたのか、例のおじいさんが降りてきます
お施主さん『あぁ〜、先に来てたんですね!あっ大工さん、この方はご近所の〇〇さんです』
えぇ〜〜!!他人なん!?
じゃあ勝手に家にあげてしまったのまずかったんじゃ・・・
とか考えていたらそのおじいさんが口を開きます
『おぅ✋先に来てこの職人たちが手ぇ抜いてないか写真撮ってたところなんよ』
えぇ〜〜何この失礼なじいさんは!!
しかも続け様に
『まぁこんなプレハブ小屋やったら誰が工事しても一緒やろうけども』
・・・開いた口が塞がりませんでした
それなりに職人としてプライドを持って仕事してたし、丁寧な仕事をする事を第一前提に置きながら施工はしてます
何も言い返すことができない僕を横目に父が
『しっかり心込めて、最後まで施工させて頂きますので安心してください!』
と笑顔で答えていました
父もこのおじいさんの言動には驚いていたと思いますが、
こういった言葉がスッと出てくるのはさすがだなと思いました
おじいさんなりにここのお施主さんの事を想っての言動だったんだろうけど、自分の中ではなかなかインパクトのある言葉だったなぁ
まぁその言葉のおかげで、気を引き締め直すことができたのも事実なんですけどね〜😅
おじいさんの意図していたことは間違ってなかったのか・・・?笑
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